手すりの下地がない 壁を切って鉄板を入れる苦肉の策

 

 

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今回は手摺の下地を入れ忘れる問題について書いていきたいと思います。

 

下地を入れ忘れたことが判明するまでの運び

 

階段・廊下・トイレには手摺(てすり)が取り付けられることが多いのです。

 

壁紙もしくはペンキで仕上げられた後の階段で、「どれどれ手摺を取り付けようか〜」と手摺屋さんが張り切って作業を始めました。

 

すると...

 

なんと!手摺を受けるための下地が仕込まれていないではありませんか。

 

「うわ、やる気削がれるわ〜...他の場所も忘れちゃあいねーだろーなあ」手摺屋のおっさんは大きめの声で独り言をこぼしました。

 

廊下は大丈夫だった、だが...案の定トイレの手摺受けが仕込まれていないではないか。

 

手摺屋さん「ちょいちょい、監督!トイレと階段、手摺の下地入ってなかったんすけど」

 

現場監督「え、マジですか〜、申し訳ない。すぐやってもらうから待ってて」

 

現場監督「あ、もしもし○○さん?階段とトイレの手摺受け入ってなかったようなので大至急入れてもらいたいんですけども...」

 

軽量屋の職長「えっ!!あいつ鉄板入れないままボード貼ったのかよー...すいません。すぐに対応いたしますんで...」

 

あんまり大きな現場で職長の目が行き届かないと、こんな感じで手摺受けを入れ忘れていることが判明するのです。

 

 手摺受けについて

 

手摺受けについて少し解説します。 

 

壁の下地というのは大抵455ピッチか303ピッチで建てられています。

 

詳しくは以前書いた記事で壁の施工方法を紹介しています。

 

www.keiten-daisuki.work

 

つまり、45cm5mmか30cm3mmの間隔程度で軽量鉄骨がボードの内側に存在しているのですが、手摺を取り付けるための金具の位置を壁の内側の下地に合わせて取り付けるわけではないので、手摺を取り付けるための金具がどこに位置しても良いように厚さ1mm程の鉄板を手摺の高さに入れてやってからボードを貼らなくてはなりません。

 

 仕上がった壁に下地を入れる「苦肉の策」

 

さて、クロスもしくはペンキで仕上がった壁をくり抜いて鉄板を仕込もうとするわけですので他の職人さんに迷惑がかかってしまいますが、どうしようもありません。 

 

壁を切ります。

 

壁をぶっ壊します。壁を粉々にしてしまいます。うおぉらぁ!!!

 

↑ 解体作業となるとこんな気持ちで取り掛かります。 笑

 

気持ちは荒ぶっていても、実際はそんなに雑に壊せないので余計な部分を破壊しないように丁寧に作業をします。

 

鉄板を取り付けて、くり抜いた部分にボードを貼ってパテをかけてもらいます。

 

忘れずに取り付けていれば数分でできる作業のはずが、何倍もの時間がかかってしまいます。

 

しかも、不陸の原因になりかねない最低な作業なのです。

 

下地を入れ忘れないために

 

自分で貼った壁ならパテかけの前までには必ず下地の入れ忘れに気付くワシが実践している考え方を紹介させてください。

 

軽天屋に勤めて数十年、僕が貼った壁で鉄板入れ忘れたままパテかけられた記憶はなああああいのに、鉄板の入れ忘れによって壁を切った経験は結構あるのだが何故だ...入れ忘れてんの誰だよこのバ○ちんがー!!笑

 

さて、鉄板を入れ忘れないためにはどうしたらよいのでしょうか。

 

注意すべきところはトイレ、廊下、階段。

 

階段はどんな建物でも手摺が取り付けられると思っておいて良いでしょう。

 

現場に新規で入った時から、この現場はどのような現場なのかを認識しておくことも大切です。

 

学校や病院のように子どもが出入りする建物、老人ホームなどバリアフリーを考えた設計の建物は廊下にも手摺が取り付けられることが多いのです。

 

そして、トイレは手摺受けに加えてブースの下地も必要となる場合が多いので壁も天井も下地を組む際は注意しなくてはなりません。

 

 つまり、今作業している部屋はどのような目的で使用されるかを考える事によって手摺が必要かどうか、手摺以外にもカーテンレールやブースやピクチャーレールなど様々なものが必要かどうかイメージできるようになっていきます。

 

もちろん図面にしっかり目を通せば大凡のことは記載されているので、それだけでも下地を入れ忘れる予防になるかと思いますが、図面も建物と同じように人が作っているものなので記載し忘れることだってあります。

 

図面に載ってなくても職長や監督にここにこういうものは必要ないのだろうかと一言確認するだけで、その後の二度手間が一瞬で予防できてしまうということです。

 

終わりに

 

抜かりのない完璧な壁・天井のLGSを組むには十分な経験が必要だと思います。

 

経験年数が多い人は自然と気づくことでも経験が浅いと、つい作業を進めることに夢中になって深く考えずに作業をしてしまいがちで、何か忘れて次工程に渡ってしまうこともあります。

 

その結果、後から壁を切ったり剥がしたり、天井裏に登って下地を入れることだってあります。

 

最初は親方や先輩方の言うこをきくので精一杯かもしれませんが、特に軽天屋になって間もない方に是非、何をする部屋なのかを考える習慣を身につけてもらえたら良いなと思います。

 

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