今回は吊りボルトを吊る時になかなか上手く挿さらない場合にどのようなことが考えられるのか、それがわかればコツを掴むことができるかもしれませんので少し解説していきます。
インサートが埋まっている場合
スラブに先付けでインサートがコンクリートの中に多少埋まってしまっていることがあります。
うっすらと埋まっているだけであれば、ボルトでつつくだけでパラパラとコンクリートが取れますが少しでも深く埋まっているときはボルトを吊るだけでかなり時間を取られてしまいます。
あまりに数が多い場合は新しくアンカーを打ってもらう方がはるかに効率的ですが、どうしても吊ってしまいたいボルトの位置であれば粘るはずです。
そこで、一つ役立つ道具として高速カッターの側面でボルトを鉛筆のように削って尖らせることによって槍を作成します。
そのままのボルトの先端、平らな部分でコンクリートを突くよりも尖らせたボルトの先端で比較的簡単に埋まったインサートを削り出すことができます。
削り出しても全く挿さらないインサートは内部までコンクリートが侵入している可能性が高いので諦めて近くにアンカーを打ってもらいましょう。
インサートやアンカーが斜めの場合
アンカーやインサートは時に真っ直ぐではない場合があります。
斜めに埋まっているアンカーやインサートに対して垂直にボルトをねじ込もうとするとボルトの先端かアンカーかインサートのネジ山が損傷してしまいます。
真っ直ぐであれば手回しでも挿さるのが普通です。ということは、ボルトの挿し込もうとする角度とアンカーやインサートが埋まっている角度が一致すれば、すんなりねじ込めるということです。
アンカーやインサートは必ずしも真っ直ぐに埋まっているわけではないということを意識しながら作業しましょう。
四方八方優しく回しながら試してみていると、だんだんコツが掴めてきます。