こんにちは、けーてんにゃです。今回はジプトーンの貼り出しの方法に関して解説します。
貼り出し方はジプトーンのみならず、天井の素地貼り・目地現し・目透かし のどれも同じような方法でできるので代表として1枚仕上げのジプトーンの貼り出し方としてまとめます。
2枚で仕上がる場合は墨つぼを使用して貼り出しの墨を出して貼っていきます。
貼り出しの墨を出してバーを合わせる
まず始めに貼り出しの基準となる墨を出します。
貼り出しの位置はできるだけ中心部から始めるようにして、1〜2列貼り出したらそれを基準にして左右に広げられるようにして貼ります。
材料の寸法は1.5×3版なら必ずしも455mm×910mmとは限らず、±1mm程度少し誤差がある場合もあります。
部屋の片側から貼った場合、部屋の端にたどり着くまでに10mmずれが生じるとしたら、それを部屋の中心から左右に分かれるように貼れば部屋の両端にたどり着く時の誤差を5mmずつに分散することができます。
そういった理由からジプトーンなどの素地で仕上がる物の貼り出しは大抵中心から広がるように貼っていくのが良いとされています。
天井から器具の線やボルトがあまり出ておらず、加工の無い真物で貼れる列だと最適です。
図面を見て天井の割付けを確認し、野縁が流れている方向で部屋の大体真ん中辺りの貼り始めやすい列を決めて壁に目地の位置で印を書きます。
下図のように野縁にも芯の線を書いて、壁に出した印に野縁の芯を合わせます。
さらに、下図のように壁から一番近い位置にある野縁受けに対して野縁が左右に動かないようにクリップの上からビス固定します。
反対側も同じように合わせて印を出して固定します。
水糸を張ってバーを合わせる
次に、下図のように野縁にビスを浅く留めて水糸を結びます。
反対側にも同じようにビスを留めて、水糸をピンと張って結びます。
糸の結び方は人それぞれですので、結びやすいやり方を探りながらやってみましょう。
出した印の芯に糸が合っているかも確認しましょう。
両端を合わせたら水糸が野縁の芯に合うように その列の野縁を揃えます。
揃えたら野縁受け1本置きにWクリップを二重に掛けてずれないようにします。
水糸を張った後は、ジプトーンの厚み分以上に野縁の面から水糸が離れるように15mm前後の物を挟みます。(ビス箱の段ボールやボードの切れ端など)
交差方向の墨を出す
バー方向の糸を張ったあとは、交差方向の貼り出しの墨も出します。
詳しい墨出しの方法は下記記事で解説しています。
水糸の芯か面かを決める
単純なことですが、水糸の芯に合わせて貼っていくか面に合わせて貼っていくか揃えて貼っていきます。
ジプトーン の幅も完璧に同じサイズで作られるわけではないのですが、水糸側の面は一貫して水糸に合わせて貼っていきます。
貼り進めていく
貼り出しの貼り進め方は様々です。
1列全て貼ってから次の列へ進んで行ってもいいですし、2〜3列まとめて進めて行ったり 複数人で進める場合なんかは貼り出しを貼る人を追うように進めていき、1列到達した時点で水糸の反対側も進められるので大人数で貼る場合もあります。
裏の矢印を1方向に揃えて貼っていきましょう。
ジプトーンを貼る際のビスを留める手順も解説していますので下記の記事も参考にしてみてください。
終わりに
ジプトーンを上手に貼るためにはそれなりの経験が必要となります。
クロスやペンキで仕上がる場合はパテを施されるので多少の隙間は気になりませんし、素地でない限りボードでそのまま仕上がることはありませんが、ジプトーンなどの化粧石膏ボードはそれ自体が仕上げ材となるので目地に隙間があればLGSが光って見えてしまいますし、材料自体のサイズも多少異なるので矩をみながら調整しつつ貼っていかなくてはなりません。
大きな面積になればなるほど誤差が積み重なっていき、ただただ調整も無しに貼れば最終的に大きなズレとなって納まりが効かなくなってしまいます。
それと 重要なこととして、材料には製造年月日があり ロットが変わればサイズの誤差やジプトーンの模様の色や深さも違って見えてしまうので、どうしてもロットが揃わない場合でサイズに誤差があるのであれば 列ごとに揃えて貼るなど工夫して貼っていきましょう。
模様の深さや色が明らかに違ってしまう場合もあるので、未然に防ぐために材料の発注時や部屋ごとの振り分けの際に不足のないように気をつけましょう。
それでは、今回はここまでです。