石膏ボードの貼り方

 

今回はLGS(軽量鉄骨下地)に石膏ボードをどのように貼れば良いのか 解説していきます。

 

 

単純なようで意外と奥が深いボード貼りですが、初めはどんな風に貼ったら良いのか頭を悩ませると思います。

 

貼り始める前に石膏ボードを貼る時の注意点がいくつかありますので別記事で紹介しています。

 

様々な条件によって貼り方が変わってきてしまいますが、一つずつその場合ごとに確認していきましょう。

 

1枚貼りの場合

 

まずは1枚貼りからです。

 

ボードを貼る向きは1枚貼りの壁ならば基本的には縦向きで貼ります。

 

現場によっては横目地が目線の位置から外れるように下段に910mmにカットしたボードを貼って次の段から真物を貼って行くようにとの指示をされる場合がありますので、下段から真物で良いのか確認します。

 

他にも、ビスピッチはいくつなのか、巾木は付くのか、仕上げはクロスなのかペンキなのか、素地貼りなのか、受け材として鉄板や合板は必要ないか、サッシや窓枠の上下にハット目地は入るか などの必要な情報は事前に確認しておきます。元請けや協力業者によっては国土交通省による施工要領以外にも下地、ボードともに様々な基準を設けて施工指示がされる場合があるので注意しなくてはなりません。

 

切り口に合わせない

 

910mmにカットした物を並べる際は切り口を床側にして無加工の小口側を上に向けて貼っていきます。1mmたりともズレずに加工できていたとしても切り口側に合わせるとどうしても無加工の小口よりもズレが発生しやすくなっていきますので、できるだけ切り口は目地側に合わせない方が良いでしょう。

 

ビスピッチ

 

壁ボードを留め付ける際のビスピッチは現在、国交省が定める公共建築工事の基準として周辺部200mm、中間部300mmとされていますので特に現場での指定がなければその通りに留めつけます。

 

面取り

 

クロスやペンキで仕上がる壁の場合はパテ処理を行うために、ボードの角を面取りしなくてはなりません。

 

パテ処理を行う壁の石膏ボードの長手方向は大抵ベベルエッジのボードを使用しますが、小口側は角が立ったままの状態です。

 

そのままのボードを積み上げてボードを貼っていくと元々ベベルエッジの縦目地方向はパテ処理を行えますが、横目地はパテが入り込むスペースが無いのでパテ処理ができなくなってしまいます。

 

そのため天井から下の仕上げが施される位置のボードとボードのジョイント部は全て面取り(Vカット)された状態にしなくてはなりません。

 

小口側の角をベベル側と同程度にカッターや面取りカンナを使用して切り取ります。

 

要領としてはリンゴの皮むきのようなものですが、ボードに対してカッターを直角に当てるのではなく、約20〜30°程度に寝かせたまま一定の力量で最後まで滑らせます。

 

綺麗に面を取るコツとしては切れ味の良い刃を使うことです。あとは数を熟せば上手くできるようになっていきます。

 

割付けの確認

 

貼り出す前に、貼る面の壁の割付けを確認します。

 

割付けの印でジョイント位置が指定されていれば、その通りに貼った場合に壁の両端まで問題なく貼ることができるかどうかを確認します。途中別業者がジョイント位置のスタッドをズラして固定してしまっている場合もよくあることなので元に戻せそうか、もしくはジョイントの位置を変えて問題なく貼れる位置を探しましょう。

 

ジョイント位置が決まったら貼り始めることができますが、綺麗に貼り上げたい場合はもう一手間必要です。

 

貼り出し

 

例えばボードを10列の2段で貼る程度の壁であれば多少高さや角度がずれ込んで貼り出し始めたとしても素地貼りや目地現しでもない限りは大した問題は起きませんが、これが30列の5段などと広い壁を貼るとなると段々と大きなズレになって最終的に大雑把な貼り上がりになってしまいますので、ボードはできるだけ垂直で水平に貼り出すことが重要になってきます。

 

真物のボードも100%直角で1820mm×910mmという訳ではありませんので、隣のボードにただ隙間なく当てがって貼るだけでは横目地が空いてしまったり、下の段のボードに対してのみ隙間なく貼ろうとしても縦目地が空いてしまいます。

 

積み上げて貼り進めながら垂直 水平の微調整を繰り返しながらボードを貼っていきます。

 

壁を基準として貼り出す

 

LGSの入隅から貼り始められる場合、交差方向の立てられたスタッドを基準にできるので その際には下図のようにランナーの厚み分考慮して貼り出します。

 

ランナーの厚み分空けて貼り出す

 

しかし、基準としたい壁も多少傾いている場合がありますので一概に壁を基準として貼り出しましょうとは言い切れません。隣の2枚目のボードを貼ろうとした段階で明らかに傾きがある場合は壁が傾いているかもしれないと疑ったほうが良いでしょう。

 

壁を基準にして貼り出した時に壁が傾いている場合

 

他にも壁の両端とも躯体などの凹凸があり正確に垂直ではない壁の場合は床を基準として貼ります。

 

床を基準として貼り出す

 

床も多少の高低差や多少の凹凸があったりするので、ただ置いて貼るだけでは傾いたままで貼り進めてしまう場合がありますが、下図のように数枚ボードを並べてジョイント以外のスタッドに1本ビスを仮留めし、高さや角度をみて貼り出すことによってほぼ水平に貼り出すことができます。

 

床を基準としてボードを貼り出す場合

 

床もあてにならなそうなほど高低差や凸凹があれば最終手段として準備や手間がかかりますが、レーザーを使用して水平の墨を出すか もしくは初めの1枚だけでも垂直を合わせてから貼っていきます。

 

2枚貼りの場合

 

今後追記していきます。