今回は壁下地の割付け方を解説して行きます。
壁の割付け方やスタッドのピッチ(間隔)は状況に応じて様々に変わりますが、基本的には石膏ボードを貼れて 壁の強度が保たれる間隔で施工します。
壁の割付けに必要な知識 〜石膏ボードの規格〜
まず、いくつかの数字を頭に入れておきましょう。
910mmと1820mm。
それと、303mmと455mmと606mmです。
これらの数字が何を表しているのか初めは全くよくわかりませんよね?
910と1820というのは3×6版の石膏ボードの幅と長さを表しています。
この規格のボードが日本で主に使われているもので、そのほかに21mm以降の厚いボードは2×6版の606mm×1820mmに切り替ります。
他にも色々な規格が存在しますが、スタッドのピッチにはあまり関係してこないので今回は3×6版のボードを主として話を進めていきます。
石膏ボードを横向きにして、6等分した数値が303mm、4等分した数値が455mm、3等分した数値が606mmになります。
察しの通りスタッドの間隔が狭いほど壁の強度が増し、間隔が広いほど弱くなります。
そこで、国が定める基準として 石膏ボード1枚で仕上げるなら300mm程度、2枚以上なら450mm程度でスタッドを立てるということが決められています。(程度ということなので石膏ボードの規格に合わせて303mm455mmと解釈して問題ありません。)
さらに、建材メーカーが個別に国土交通省から認定を受けている工法で、303mm間隔で千鳥にスタッドを立てるものもあり、これに該当する工法の場合は実質 片面606mm間隔で立てていることになります。
また、455mmの半分に値する227.5mm間隔でスタッドを立てる工法や227.5mm間隔で千鳥にスタッドを立てる工法も存在しますが、いずれも割付け方としてはスタッドの間隔が狭くなるだけなので こちらの解説は省きます。
千鳥の壁に関しては今後、別な記事で解説していきます。
割付け位置の印
割付けを行う際の印は位置が正確にわかるように出来るだけ垂直に線を書くように心がけましょう。
また、ボードのジョイント部がわかるように印を変えて書くと後にボードを張る時にスムーズに張り始めることができたり、壁内に仕込む物がある場合や配管などの貫通物がある場合にスタッドを立てる段階で対処し易くなるので必ず見分けがつくように書き込みましょう。
ジョイントの目印としては、+字マークや*マークなど人によって様々です。
基本的な割付け
割付けの方法も様々ですが、基本的には石膏ボードを加工する回数が減るように、ボードを※真物の状態でより多く張れるように割付けを行います。
※真物(まもの)という言葉には多くの意味が含められていますが、ここでは加工・切断を行なっていない規格通りのままの材料のことを指します。
まず2枚以上で壁を仕上げる場合だとして、一番単純に割付けをする方法としては片側から455、910、1365、1820と下図のように455mmピッチで割付けをします。
ボード1枚で壁を仕上げる場合は303mmピッチで303、606、910、1213、1516、1820と割付けをします。
上図のように既存の壁を起点として割付ける場合と、壁の末端を起点として割付ける場合がありどちらも単純に端から順に割付をします。
終わりに
ここまでが、スタッドピッチの割付け作業の初歩的な内容です。
この基本に加えて、様々な条件が付加されて割付けを考えなくてはならない壁もあるので、少しずつ理解しやすいように記事毎に要点を分けて解説していきますので是非読んでみてください。
わかりにくいことの質問やここは違うのではと、お気づきの点がございましたらコメントやツイッターを通して教えていただけると幸いです。
割付け以外にスタッドを立てるところは?
壁が交差する場所、建具付近のスタッドの位置、割付け以外にスタッドを立てなければならない部分については下記事で解説しています。
素地貼りの割付け方
素地貼りで壁が仕上がる場合の割付け方は考えなければならないことが多くなります。目地やビスもそのまま見えて仕上がるため、難しい貼り方の1つです。
素地貼りの割付けに関しては下記事で解説しています。
壁貫通物や壁内埋め込み物がある場合
ダクトやケーブルラックなどの壁を貫通させたいものやスイッチボックスなど、開口を作って通すだけではなく、避けるようにして割付けを行うやり方に関して下記事で解説してます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。