LGS・軽量鉄骨を正確な寸法で切断する方法

 

今回はLGSを切る方法を解説していきます。

 

そんなの簡単、切断機で切ればいいだけでしょ?

 

と言われればそうなのですが、私が実践している事を惜しみなくご紹介しますので、基本的過ぎて退屈な文章もございますが是非最後まで読んでみてください。

 

少しでも参考になれば良いかなと思います。

 

切った材料が長かったり短かったりする。初心者の段階では意外と多く起こる現象ですよね。

 

親方や先輩に、長いなー 短いなー とよく言われる人はよく読んで実践してみてください。

 

どんな原因があるのかというと 単純に測り間違えている、材料を真っ直ぐに切れていない、高速切断機の刃の幅の分を考えずに切っているなど様々な状況が考えられます。

 

 

寸法を間違える

 

まずはじめに基本的な事ですが、 寸法を間違えるという現象について 少し対策を考えてみます。

 

初歩的なことで言うとスケールの目盛りをよく見ること、寸法を測ったらメモをとることです。

 

どちらも大したことではありませんが、上達した後も変わらず必要なことです。

  

スケールの目盛りをよく見る

 

例えば飛行機の整備士、ネジの締め忘れ1本から重大な事故を引き起こしかねない職の方でも指差し確認という一見どうでも良さそうな動作を行い一つ一つの作業を正確にこなします。

 

大袈裟に言えばスケールで寸法を測る際に指差し確認を行うだけでミスが減るという魔法のようで理にかなったテクニックなのです。

 

少し解説すると、人間の視野と脳は何か一ヶ所を見ようと思っても不意に他所の情報もキャッチ出来てしまうので急いでいる時や気が緩んだ時に一瞬目にした他の数字をあたかも今記憶しようとした数字だと勘違いして覚えてしまう。

 

そんなことが起こります。

 

ですので、自分の指を見たい場所に添えるだけで見たい場所が定まりより正確に作業を行うことができるようになるのです。

 

指差し確認をして寸法を測ると良いですよ、とまでは言いませんがそれくらいの意識を持ってスケールの目盛りを見れば自ずと間違いが減るということなので、この筆者は仕事中 寸法を測る時に指差し確認してるんだー、へー、ダサくない?って思わないでください。

 

指差し確認なんてしたことありません。笑

  

寸法をメモする

 

次にメモに関してです、記憶のみで作業できれば それに越したことはありませんが、誰でもど忘れしたり間違いを起こすのでメモを取ることを省く作業はあまりオススメできません。

 

メモを書き留めておけば、一旦別な作業をしても休憩に入っても誰かに話しかけられても忘れることはありません。

 

寸法がバラバラなものを複数切る時にはメモをして加工場と施工場の行き来を減らすようにすると作業効率も良くなります。

 

このメモをする事については本当に大切なことなので別な記事で作業効率を良くする方法と共にもう少し詳しく書いていきます。

 

図面をよく見て頭に入れておく

 

次に、基本的なことができるようになってからの対策としては図面をよく見ることです。

 

どんな広さ大きさ奥行き高さ の下地を組むか寸法を頭に入れておけば、間違って切りそうになった時に、この場所でこの長さの材料は使わないはずだと気が付けることがあるわけです。

 

材料の長さに限らず、図面の不備に気付けたり仕事に間違いが少ない一流の職人さんは何故ここはこの様に納まるのか出来上がるのか、例外なく常々考えながら仕事をしています。

 

材料を真っ直ぐに切れていない

 

 次の原因としては材料を真っ直ぐに切れていないことで切り口が斜めになるということについてです。

 

切り口が斜めになっていると寸法に誤差が生じます。

 

特に幅の広い100のCチャン(100mm幅の補強材)などは影響が大きいので注意が必要です。

 

切断機に対して材料を水平に置く

 

対策としては切断機上に材料をセットする際に材料を水平に真っ直ぐ置く事です。

 

切断機と同じ高さに材料をセットするために台が必要です。

 

サポートローラー、ボードの切れ端を重ねた物を養生テープで固めた台、スタッドの切れ端で作った台などの材料を支える台がないとかなり不便ですので作業に取り掛かる前に準備しておきましょう。

 

切断機と同じ高さの台が用意できれば材料を水平にセットすることは問題ありません。

 

切断機のガイドプレートに沿って材料を固定する

  

次に切断機のガイドプレートと呼ばれる材料を受ける板に対して真っ直ぐ材料を固定する事です。

 

基本的にはバイスでガイドプレートと材料を挟み込み固定して使用するのが安全に留意した使用方法なので、ガイドプレートの角度調整が0度になっていれば真っ直ぐな切断面で材料が切れます。

 

残念なことに、現実的には毎回必ずバイスで挟み込んでから材料を切っている職人を1人も見たことがありません。

 

経験を積むにつれて、この材料の切断時はバイスで固定せず手で押さえるだけでも十分だと判断して作業に取り掛かっているのだと思います。

 

その辺に関しては、とやかく言う立場ではありませんが、ここで一応 切断機の取扱説明書に書かれている内容を一部おさらいすることにしましょう。

 

 まず第一に、「材料をしっかり固定して使用しましょう」このような当たり前のニュアンスはどんな工具でも注意書きに大抵は書かれているので、しっかり固定しましょう。

 

「無理して使用しないでください」説明書のこの記述を見たとき二度見しました。

 

工具を買った中で約7割程の人は取扱説明書を見ずにこれまで使用してきたのではないかなと思いますが、見てみるのもわるくないものです。

 

無理して使用しないでください、この言葉には様々な意味が込められていそうです。

 

無理に力を加えて切断機で材料を押し切るのは危険です。切断砥石が砕ける事だってあるんですよと、歳だけど材料切らないと稼ぎにならないのでひぃひぃ言いながら無理して切ってますよと、腰痛持ちでちょっと力を入れるだけで無理な人が無理して切っていますよと、様々な状況の人たちがいます。

 

そんな人たちに向けてか否か、「無理して使用しないでください」こんな言葉を綴っている取扱説明書 優しいですよね。

 

他にも「子供を近づけないでください」や「ダブダブの衣服は回転部に巻き込まれる可能性があるので着用しないでください」などがありました。

 

家庭用電化製品の取扱説明書では目にしたことがない記述を職人に向けて分かりやすく書いてくれていますよね。

 

ダブダブの衣服、これは確実にニッカポッカのことを指していますよね。

 

近頃、ニッカを禁止してしまう現場もあるほど危険性が問われてしまうものと捉えられるようになってきました。

 

ニッカが絶滅してしまう日がいつかは来てしまうのかと思うと少し寂しいです。あんなにカッコいいのに。

 

実際のところ、逆に安全なのではないかといった見解もあります。

 

あのダブついた部分が足よりも先に物に当たるため危険を察知できるというわけなんです。なので、一概に引っかかって危ないとも言えないのです。

 

さらにダブついている分屈伸のし易さもあるために俊敏な取り組みを強いられる職人にとっては正に理にかなった形と言っても過言ではありません。

 

かなり話は逸れましたが、材料をしっかりガイドプレートに対し平行に添わせれば真っ直ぐに材料を切断することができます。

 

それを言いたかっただけなのに長々とすまん。

 

ちなみに左手でしっかり抑えればバイスで挟み込まずとももちろん真っ直ぐ切れますし、作業効率の観点からすればバイスで一々挟んで作業していたら結構な手間がかかります。

 

ただ、ネット上に開示する情報としては安全優先であることを主張しなくてはなりませんので工具の説明書通りの使用方法で作業することをお勧めしますと言っておきます。

  

切断砥石の幅を考えずに切っている

 

察しが良い人なら初心者でも気づく事はできますが、意外と見落としてがちな事なのでこちらも解説していきます。

 

 

材料を寸法通り数ミリ単位でしっかり切る方法はスケールでつけた印の中心に切断砥石の中心を当てるのではなく、図の通り切断砥石の面の位置プラス0.5mm〜2mm離した所に切断砥石を当てて切ります。

 

この0.5mm〜2mmという誤差はご使用の切断機それぞれに生じるもので、どれだけ切断砥石が振れて回転しているかで変わってきます。

 

場合によってはそれ以上の誤差もあり得ることなので 、「この切断機はこの位置に刃を当てるとこれほどの幅で切れるのだな」と考慮しながら切ってみてください。

 

おわりに

 

何事も物事の本質を見抜き考え方や構造や仕組みに対して考えまくることで成長していきます。

 

物事の表面だけではなく中身や考え方まで見れると、より早く一流の職人に近づくことができます。

 

自分もまだまだ修行中の身ですのでご参考までに、良いと思ったら取り入れて大したことないと思ったら聞き流してください。

 

もっと良い方法があるよって方がいましたら是非コメントを寄せて頂くかTwitterアカウントにリプやDMを頂ければ嬉しいです。

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