【建築施工管理技士 試験対策】土の分類・性質を解説!〜粒度・含水比・土の基礎知識〜

 

こんにちは、けーてんにゃです!今回は、建築施工管理技士を目指す上で結構大切な土の話をしていきます。

 

土の分類と性質は地盤を扱う上で超重要な基礎知識です。私と一緒にしっかり学びましょう。

 

 

てんにゃ

この分野は、単に暗記するだけでにゃく、「この土は何に向いていて、どんな問題が起きやすいかにゃ?」というイメージを持つことが理解への鍵となるにゃ!

 

建築施工管理のための「土」の知識

 



1. 土の分類...粒の大きさで役割が変わる


土は、その粒(土粒子)の大きさで、役割が分かれています。


・レキ(礫)...2mm以上 の粒子、ゴロゴロの石や砂利。水がジョウロで注ぐようにすぐ抜ける(透水性抜群)。重さをかけてもすぐ圧縮が終わる(即時沈下)。基礎の砕石層などに使われる。 

 

・砂 ... 0.074mm〜2mmの粒子、サラサラの砂。水はけは良い(透水性が高い)。地震で水と混ざると液状化してビルが傾く危険性がある。

 

・シルト...0.005mm〜0.074mmの粒子、小麦粉のような土。一見サラサラだけど、水はけが悪い(透水性が低い)。乾燥するとパリパリに固まる。


・粘土...0.005mm以下の粒子、泥だんごが作れる土。水はほとんど通さない(透水性が極めて低い)。水を吸うとブヨブヨになり(膨潤性)、重い建物を建てると時間をかけてギューッと沈む(圧密沈下)厄介な性質がある。 

 


粗粒土(レキ・砂)は水はけが良く、沈下はすぐ終わる。
 

細粒土(シルト・粘土)は水はけが悪く、沈下は時間をかけてジワジワ進む。

 

 

良い土・悪い土の判断基準(粒度)


土をふるいにかけて粒子の分布をグラフにしたものが「粒径加積曲線」です。

 

粒径加積曲線とは土を構成する土粒子の粒径の分布状態をグラフ化したものです。


この曲線から、土の粒子の大きさのバラつき(粒度分布)が一目でわかり、その土の工学的性質(締固めやすさ、透水性、液状化のしやすさなど)を判断する重要な指標となります。


粒度曲線は、一般的に半対数グラフを用いて作成され、横軸(X軸)は、粒径(土の粒子の大きさ、通常は対数目盛)を表し、縦軸(Y軸)は、その粒径より小さい粒子の質量百分率(通過百分率、普通目盛)を表します。


この曲線は、土をふるい分け試験(粒径が大きい粗粒分向け)や沈降分析(粒径が小さい細粒分向け)にかけて得られたデータをもとに描かれます。

 

粒度が良い土...大小様々な粒がバランス良く混ざっている土。隙間なくギュッと詰まる(締固めやすい)から、安定していて強い土になります。


粒度が悪い土...同じ大きさの粒ばかりの土。隙間が多くなりやすく、密実に詰まりにくいので、ちょっと不安定で弱い土になりがちです。

 

 

2. 土の基本的な物理的性質...土の健康診断

 


土が現場で使えるか、どんな挙動をするかをチェックするための基本的な指標は?

含水比 (w)...「土の重さに対して、どれくらいの水が含まれているか」の割合。粘土は含水比が高すぎると強度が極端に落ちます。100%を超える粘土も普通にあります。


土粒子密度...土の粒そのものの重さ。

軽い土(2.5g/㎤以下)は有機物が多いかも?

重い土(2.8g/㎤以上)は砂鉄などの重い鉱物が多いかも?などと推測します。

 

コンシステンシー...粘性土の「ベタベタ度合い」。液性限界(ドロドロの液体状態になるギリギリの含水比)と塑性限界(固体のまま形が変わるギリギリの含水比)で評価します。

塑性指数(液性限界 - 塑性限界)が大きいほど、粘土の性質が強く、水を含んだ時の強度低下(膨張)が著しい、扱いにくい土と判断します。

 

間隙比 ...「粒子の体積」に対する「水や空気の隙間の体積」の比率。この値が大きいほど、スカスカで弱い土ということです。

 

 

3. 土の力学的性質...土の耐力を知る

 



建物を支え、安定した盛土を作るために、土の「強さ」や「動きやすさ」を測ります。


強度特性(せん断強度)...土がズレようとする力(せん断破壊)にどれだけ耐えられるか。これが地盤の「持ちこたえる力(支持力)」を決める。

三軸圧縮試験、一軸圧縮試験など。


変形特性 ...荷重をかけたときに、どれだけ沈んだり変形したりするか。沈下しにくいかが重要。

平板載荷試験(地盤係数)、標準貫入試験(N値)など。特にN值は現場で最も使われる指標です。


圧密特性...粘性土特有の時間をかけた沈下(圧密沈下)のしやすさ。これがわかれば、「この建物は何年後に何cm沈むか」が推定できます。圧密試験。


透水性...水が土を通り抜ける速さ。水はけの良さ。地下水位を下げる排水工法の計画に欠かせない。粗粒土は高く、細粒土は低い。透水試験。


締固め特性...土を最大限に強く締め固めるには、どれくらいの水(含水比)が良いかを知るための指標。盛土の品質管理(ブルドーザーでどれだけ締め固めるか)に必須。突固めによる土の締固め試験(最大乾燥密度と最適含水比を求める)。

 

4. 土量の変化...体積の変化にご注意

 



土は「状態」によって体積が変わります。資材発注や運搬計画に直結するので要注意。


・地山(掘る前の土)は、ほぐした土(掘削した土)よりも体積が増える。


・ほぐした土を締固めた土(盛土)は体積は地山と比べて減るか、ほぼ変わらない。

 

盛土材を発注する際は、この「体積の増減率」を考慮する必要があります。

 

おわりに

 

簡単にまとめると「土の粒の大きさ」がその透水性、沈下特性、強度といった工学的性質を決定づけるということです。

 

現場の土の素性を知り、N値などの力学的性質で地盤の耐力を把握、さらに最適含水比で締固め管理を徹底しなくてはなりません。

 

てんにゃ

土の性質とそれが引き起こす現場の課題を常にイメージすることも、建築施工管理技士としての仕事ということにゃ。奥が深いにゃぁ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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